中小企業の賃上げが最大35%の節税に!賃上げ促進税制の活用法

2026年度も中小企業向けは制度継続!賃上げ促進税制とは?

2026年度(令和8年度)の税制改正により、賃上げ促進税制が見直されます。大企業向けは2026年3月末で廃止、中堅企業向けも要件強化のうえ2027年3月末で廃止予定となっています。

しかし、中小企業向けは制度が継続されます。一部の上乗せ措置は廃止となるものの、賃上げ増加分の最大35%を法人税から直接差し引く(税額控除する)ことができます。さらに、赤字で税額控除を使い切れなかった場合でも、最長5年間繰り越して活用できるのが大きな特徴です。

そもそも「税額控除」って何?

節税の方法には大きく分けて「損金算入(経費として計上する)」と「税額控除(税金そのものを直接減らす)」の2種類があります。賃上げ促進税制は後者の「税額控除」です。

たとえば、賃上げを実施すると人件費が増えるため、黒字企業ではその分だけ法人税が軽減されます。そこにさらに税額控除が加わることで、賃上げ額の約65%が実質的なコスト軽減として戻ってくるイメージになります。賃上げが単なる人件費増ではなく、確実な節税手段になるわけです。

対象になる企業の条件

以下の条件をすべて満たす企業が対象です。

  • 青色申告をしている法人であること
  • 資本金が1億円以下であること
  • 個人事業主の場合は従業員数1,000人以下であること

多くの中小企業が該当しますが、青色申告をしていない場合は対象外となるため、まず自社の申告方法を確認しておきましょう。

税額控除率の仕組みをわかりやすく解説

控除率は賃上げの程度によって異なります。

  • 全従業員の給与総額が前年比1.5%以上増加した場合 → 控除率15%
  • 全従業員の給与総額が前年比2.5%以上増加した場合 → さらに+15%(合計30%)
  • 「くるみん」または「えるぼし(2段階目以上)」の認定を取得している場合 → さらに+5%(最大35%)

また、税額控除を使い切れなかった年度があっても、翌年以降最長5年間繰り越して控除できます。ただし、繰越控除を使う年度においても給与総額が前年より増えていることが条件となります。確定申告時に「明細書」を添付することも忘れずに。

賃上げ前に確認しておきたい3つのポイント

①給与総額を維持できるか確認する

離職などで給与総額が減ると、要件を満たせなくなります。採用・定着の見通しも含めて計画しましょう。

②社会保険料の会社負担分も含めてコストを試算する

賃上げに伴い、社会保険料の会社負担分も増加します。手取りだけでなくトータルのコストで判断することが重要です。

③無理のない賃金水準で計画を立てる

一度上げた賃金は下げにくいものです。継続できる水準で計画的に進めることが長続きのコツです。

まとめ:賃上げは「節税+採用強化」の一石二鳥

中小企業向けの賃上げ促進税制は、社員の処遇改善と節税を同時に実現できる制度です。さらに「くるみん」「えるぼし」の認定取得で控除率アップと採用ブランディングも狙えます。「自社が対象になるか」「いくら節税できるか」を事前にシミュレーションしたうえで、計画的に活用することをおすすめします。

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