今月のおすすめ本:『売上最小化、利益最大化の法則』

今月のおすすめは、北の達人コーポレーション代表・木下勝寿氏の著書『売上最小化、利益最大化の法則――利益率29%経営の秘密』です。

タイトルを初めて見たとき、「売上を最小化する?」と少し意外な感じを受けました。多くの経営者の方が「売上を伸ばすこと」を第一の目標に置きがちですが、本書はその発想をいったん手放すところから始まります。大切なのは売上の規模ではなく、「どれだけ利益を残せるか」という視点です。この逆転の発想が、読み始めてすぐに強く印象に残りました。

本書の中でとくに参考になったのは、「悪い売上」と「良い売上」を区別するという考え方です。一見、売上が増えることは喜ばしいことのように思えますが、コストや手間ばかりがかかって利益につながらない売上は、むしろ会社の体力を奪うと著者は述べています。弊社でもクライアントの財務数値を拝見していると、売上は伸びているのに手元資金が苦しいというケースが少なくありません。その原因がまさにこの「悪い売上」にあることが多く、改めて腑に落ちる内容でした。

また、利益率を高めるための具体的な指標の見方や、事業の「やめる判断」についても丁寧に解説されており、実践的な内容が多い点も好感を持てました。経営の現場ですぐに使えるヒントが随所に散りばめられています。「どの事業に集中すべきか」「どこにコストをかけるべきか」を判断するうえで、大きな示唆を与えてくれる一冊です。

経営者の方は日々、売上目標の達成に向けてさまざまな意思決定をされていると思います。しかしこの本を読むと、「そもそも何のために売上を追うのか」という根本的な問いに立ち返るきっかけをもらえます。規模の拡大よりも、筋肉質で持続可能な経営体質をつくりたいとお考えの方には、特におすすめしたい一冊です。ぜひ手に取ってみてください。

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