今月のおすすめ本:『ビジョナリー・カンパニー』

今月のおすすめは、ジェームズ・C・コリンズとジェリー・I・ポラスによる『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則』です。経営の世界では知らない人がいないほどの名著ですが、最近あらためて読み返す機会があり、その内容の深さに改めて驚かされました。

この本は、ビジョナリー・カンパニーと呼ばれる長期にわたって卓越した業績を残す企業と、そうでない企業とを比較研究した一冊です。6年にわたる調査をもとに書かれており、「なぜある企業は時代を超えて生き残り、輝き続けるのか」という問いに対して、具体的なデータと事例で答えてくれます。

読んでいて特に印象的だったのは、「BHAGビーハッグ(Big Hairy Audacious Goal)」という概念です。日本語にすると「大胆な目標」とでも言うべきもので、長く繁栄する企業は、現実的かどうかを超えた大きな夢のような目標を掲げているという指摘でした。中小企業の経営者の方と日々お話ししていると、「現状維持でいい」「うちくらいの規模では…」とおっしゃる方も少なくありません。しかしこの本を読むと、規模の大小にかかわらず、経営者が高い志を持つことが組織の文化や社員の行動に大きな影響を与えることが伝わってきます。

また、「時を告げるのではなく、時計をつくれ」という表現も参考になりました。これは、優れたリーダーは自分一人が素晴らしいアイデアを生み出すのではなく、アイデアが生まれ続ける仕組みや組織をつくることが本質だという考え方です。経営者が現場のすべてを抱え込んでしまいがちな中小企業にとって、この視点はとても大切だと感じました。

経営理念の言語化や社内の仕組みづくりに取り組みたいとお考えの方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。難解な経営理論書ではなく、具体的な企業事例を読み進めながら自社に置き換えて考えられる構成になっているので、読書に慣れていない方にも読みやすいと思います。じっくり時間をかけて読む価値のある本です。

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